赤いTシャツ
カルタ大会があると聞いて、その様子を見に出かけた。
この辺でのカルタと言えば、百人一首の下の句カルタだ。
木札に毛筆で書かれているからなかなか読みにくいのだが。
参加数も減少しているようで、後志大会といっても、
小学校では10チーム、中学校では8チームが参加しているに過ぎない。
昔はもっと多かったし、勝負にこだわるチームもあったようだ。
なかなか白熱している大会ではあったが、全体としておとなしい大会だった。
昔は大人たちが、近隣のチームとこのカルタの試合をしてを歩いたのだそうだ。
そんな時には、俺が札を取ったぞと言うことをアピールして喜びを表すため、
床をドンドンとたたき、木札の間をぬって体ごと表現したのだそうだ。
そんなオーバーな表現をしたチームも3チームほどあったのだが、
そのチームはきっと昔遊んだ大人の人から実際に指導されたに違いない。
冬休み中に何度かお年よりの方々に稽古を付けて貰いに行ったと言うことを聞いた。
小学生の決勝戦は、同じ小学校のチーム同士の対決となった。
5・6年チームと4年生チームで赤いTシャツを着て戦っていた。
その子たちのお母さんに聞いたら、
やはり赤いTシャツはこの学校を表していますから、当然これを着て戦いますよと。
その人の中学生のお姉ちゃんも、小学校の赤いTシャツを着て試合に臨んでいた。
その小学校出身者なのだ。
さてそのチーム、小さな小学校のチームで、
今では全校児童が11名しかいない学校だという。
そのうち6人が参加して上位2チームに入ったのだ。すごい事だ。
地域の方々、PTAの方々がしっかりと学校を支え、
子どもたちのために支援を惜しまなかった学校だ。
子どもたちは、そんな思いに答えるかのように、
その町内のマラソン大会や、クロスカントリー大会、スキー大会、バスケット大会など
参加してはものすごい成績を残していったものだった。
運動ばかりではなく、全校での音楽活動として、全校器楽合奏に取り組み、
高いレベルの素晴らしい演奏を披露したりもしている。
来年度は教頭先生も配置されなくなるそうで、児童数も10名を切るという。
回復の見込みもないので、来年度いっぱいで学校を閉鎖するという。
とても残念なことだ。
かつては、この町には7校ほどもあった複式学校が、
完全に消えてしまうと言う。